クリスマス・イブの絵本3冊セットです。それぞれが関連している不思議で楽しいおはなしです。
作・絵: 長尾玲子
出版社: 福音館書店
発行日: 1995年10月20日
「あっちゃんとゆびにんぎょう」、「100こめのクリスマスケーキ」、「サンタさんのいちにち」の3部作。同じ日の出来事を3人の違う視点で描いた3つのお話です。1冊ずつ独立したお話として仕上がっているのですが、3冊の絵本が関連して、連動しています。それがとても自然なお話に仕上がっていて、小さい子にもじゅうぶん楽しめます。
刺繍で描かれた絵もすばらしく、出かけに持っていくにもピッタリのミニサイズです。
「あっちゃんとゆびんんぎょう」
クリスマス・イブの日、指人形を作っていたあっちゃんは、おかあさんからクリスマス・ケーキを買ってくるよう頼まれます。ケーキ屋さんはお客さんでいっぱいで、小さなあっちゃんに気付いてくれず、ケーキは売り切れてしまいます。泣き出したあっちゃんに、ケーキ屋さんは大きな大きな特別製のケーキをくれました。喜んだあっちゃんは、作りかけだった指人形にケーキ屋さんも加えて仕上げ、ケーキ屋さんにプレゼントしたのでした。
その夜、あっちゃんはケーキがあんまりおいしかったので、ケーキをお皿に乗せてベッドの脇のテーブルの上に置き、サンタさんにあげることにしました。
次の朝、あっちゃんのくつしたにはサンタさんからのプレゼントが、そしてお皿は空になっていたのです。
「100こめのクリスマス・ケーキ」
クリスマス・イブの朝、ケーキ屋さんはいつもより早く起きて、クリスマス・ケーキを100個作ります。100個目のクリスマス・ケーキは特別製で自分達の分です。ケーキ屋さんとねこのクロは毎年、この大きなクリスマス・ケーキを食べるのを楽しみにしているのです。
今日はお店は大忙し、どんどんケーキは売れて、99個のケーキは全部売れてしまいました。そのとき、ケーキ屋さんは小さな女の子に気付きました。ケーキが売り切れたことを告げると、女の子は泣き出してしまいます。
「あ、そうだ」ケーキ屋さんは100個目のケーキがあることを思い出します・・・。
サンタさんのいちにち
クリスマス・イブの朝、一年ぶりに目を覚ましたサンタさんとトナカイは、子供たちにプレゼントを配る準備をします。夜になると出発し、寝ている子供たちにプレゼントを配ってゆきます。最後に、遅くまでおきていたあっちゃんへのプレゼントを配りに行きます。おなかがすいていたサンタさんとトナカイが見たものは・・・?