いつつ(5歳)のみいちゃんは、ある日ままからおつかいを頼まれます。
「あかちゃんの ぎゅうにゅうが ほしいんだけど、まま ちょっといそがしいの。ひとりでかってこられる?」
いままで一人で出かけたことが一度もなかったみいちゃんは驚いて飛び上がりますが、「うん!」と引き受けます。
百円玉を2つ握りしめて、坂のてっぺんにあるお店まで向かいます。道中どきどきのみいちゃんは坂で転んでしまい、手足がじんじん、百円玉がころころ...
お店では声を振り絞って「ぎゅうにゅう くださあい!」と叫びますが、なかなかお店のおばさんに気づいてもらえません。ようやく牛乳を買うことが出来てほっとして、ずっと我慢していた涙がぽろりとこぼれます。
帰り道、坂の下で、ままが赤ちゃんをだっこして手を振っていました。
作: 筒井 頼子
絵: 林 明子
出版社: 福音館書店
発行日: 1977年4月1日
読んであげるなら・3才から
自分で読むなら・小学低学年から
テレビ番組にまでなった「はじめてのおつかい」。そのドキドキする心情をみごとに描いた作品です。素朴なタッチの挿絵がすがすがしく、共感を呼びます。ままは牛乳を買ってきてもらうことが目的なんじゃないんだって読んでいればわかります。帰ってきたみいちゃんを坂の下で 心配そうに待っているのですから。
おつかいに出たみいちゃんをよく見ると、右手と右足がいっしょに出てしまっています。この作品には他にも細かい描写にいろいろと遊びがみられて楽しめますよ☆
ぜひおうちの本棚に置いて、何度も繰り返し読んでください。
読む度に新しい発見があります!